骨折の後に一気にカルシウムを補ったり、骨スープを飲んだりすれば骨が早く治ると期待しない
- コスパ高
- 根拠 B
- お金
- 異論あり
- お金ゼロ
- 数分でできる
- 気力いらず
ひとことで
骨折後にビタミンDを補った試験で、骨の治りが良くなったものは1件もありませんでした。カルシウムとビタミンDを一緒に補った研究は少なく、効果があるかどうかは分かりません。骨スープ1杯に含まれるカルシウムは、1日に必要な量のわずか数十分の1です。もともとビタミンDが不足している人や、骨粗しょう症の人は別です。
- コスト
-
お金はかかりません。カルシウム錠、ビタミンD、毎日の煮込みスープの費用と手間も省けます。やるべきことは、不足が分かってから補うことだけです。不足していなければ、余計に補う必要はありません。
- 得られるもの
-
まずビタミンDについて。2023年のシステマティックレビューは、骨折患者2,734人を対象とした研究14件を収録しました。結論は、ビタミンDの単独補給が骨の癒合、骨の再構築、回復後の機能に与える影響はごくわずかである、というものでした。好影響が見られた研究の質は全般に低いものでした。著者は、無作為割り付け試験に限ると、補給によって利益が見られたものは1件もなかったと書いています。そのうちの1件は、ビタミンDが低い長管骨骨折の患者100人を対象とし、半数は受傷後2週間以内に10万IUを1回服用、もう半数は偽薬を服用しました。両群とも骨が癒合しなかった人が2人ずつ、合計4%でした。別の試験は、18〜50歳の大腿骨または下腿骨骨折の患者102人を対象に、用量の異なるビタミンDまたは偽薬の4つの群に分けました。3か月と12か月の時点で、癒合スコアに差は見られませんでした。さらに、手首を骨折した閉経後の女性32人を対象とした試験では、対照と比べて、1日1800IU相当の大量摂取群は、骨の圧縮硬度がむしろ低くなりました。次にカルシウム。2014年のシステマティックレビューは、ビタミンDの不足または補給が骨折の癒合に与える影響を調べた臨床研究は少なく、結論は断定できないとしました。見つかった2件の研究は、カルシウムとビタミンDを一緒に補ったもので、骨折部位の骨密度や仮骨(新しくできた骨)の増加を見たもので、癒合の速さは見ていませんでした。最後に骨スープ。台湾・高雄でのある検査では、3種類の骨スープ入り麺を購入し、スープ1人分は450〜550gでした。スープ1人分のカルシウムは平均14〜39 mgで、1日の推奨量1000 mgの1.4%〜3.9%にあたります。著者の結論は、スープ1人分のカルシウムは1日の推奨量の5%未満というものでした。中国の推奨量は、18〜49歳は1日800 mg、50歳以上は1000 mgで、1日の上限は2000 mgです。この基準は、長期間カルシウムを過剰に摂ると、腎結石のリスクが上がると明記しています。米国の試験では、閉経後の女性36,282人を対象に、1日1000 mgのカルシウムと400IUのビタミンDを、平均7年間摂取させました。腎結石のリスクは約17%高くなりました(HR 1.17、95%信頼区間1.02〜1.34)。股関節骨折は約12%低くなりましたが、有意ではありませんでした(HR 0.88、0.72〜1.08)。一見お得に見えるのは、「骨はカルシウムでできている、だからカルシウムを多く摂るほど早く治る」という直感が働くからです。
- 補足
-
議論のある点:小さな兆しが2つあります。デンマークの試験では、上腕の肩に近い部分を骨折した高齢女性30人を対象にしました。骨粗しょう症または骨量の低い人です。800IUのビタミンDと1 gのカルシウムを毎日摂った人は、6週目の骨折部位の骨密度が高くなりました(0.623対0.570 g/cm²)。ただし骨密度だけを測っており、骨の治りの良し悪しは見ていません。人数も少なすぎます。102人の試験を事後的に分けると、大量のビタミンD群の機能スコアがやや良好でしたが、著者はさらに試験で確認する必要があるとしています。もともとビタミンDが不足している人については別です。オランダの追跡記録では、補給後もなお不足している人のうち、癒合が遅れた人は9.7%でした。もともと不足していなかった人は0.3%、補給で改善された人は1.7%でした。これは追跡記録であり、因果関係は証明できません。不足が分かったら、医師の指示に従って正常値まで補ってください。すでに骨粗しょう症と診断された人や、軽く転んだだけで骨折する人に必要なのは骨粗しょう症治療薬で、第1節第40項(骨粗しょう症治療薬)を参照してください。カルシウム錠はその代わりにはなりません。ビタミンDが不足していない人が長期的に補っても利益はありません。第6節第3項(ビタミンDを補う)を参照してください。否定すべきなのは「一気に補うこと」であって、カルシウムを減らすことではありません。食事からのカルシウムは普通に十分摂ってください。第6節第21項(腎結石を防ぐためにカルシウムを断たない)を参照してください。骨折が疑われるけがをしたときの対処は、第13節第41項(骨折が疑われる場合)を参照してください。利益を「中」としているのは、1年分のカルシウム錠とビタミンDのお金から計算したものです。受益者はあなた自身です。
- 根拠のレベル
- B : 研究の裏付けはあるが正確な数字は言えない、または小規模・単一の研究.
- 出典
-
- Gatt T, Grech A, Arshad H (2023). The Effect of Vitamin D Supplementation for Bone Healing in Fracture Patients: A Systematic Review. Advances in Orthopedics, 2023, 6236045. https://doi.org/10.1155/2023/6236045
- Haines N, Kempton LB, Seymour RB, et al. (2017). The effect of a single early high-dose vitamin D supplement on fracture union in patients with hypovitaminosis D: a prospective randomised trial. Bone & Joint Journal, 99-B(11), 1520-1525. https://doi.org/10.1302/0301-620X.99B11.BJJ-2017-0271.R1
- Slobogean GP, Bzovsky S, O'Hara NN, et al. (2023). Effect of Vitamin D3 Supplementation on Acute Fracture Healing: A Phase II Screening Randomized Double-Blind Controlled Trial. JBMR Plus, 7, e10705. https://doi.org/10.1002/jbm4.10705
- Heyer FL, de Jong JJ, Willems PC, et al. (2021). The Effect of Bolus Vitamin D3 Supplementation on Distal Radius Fracture Healing: A Randomized Controlled Trial Using HR-pQCT. Journal of Bone and Mineral Research, 36, 1492-1501. https://doi.org/10.1002/jbmr.4311
- Gorter EA, Hamdy NA, Appelman-Dijkstra NM, Schipper IB (2014). The role of vitamin D in human fracture healing: a systematic review of the literature. Bone, 64, 288-297. https://doi.org/10.1016/j.bone.2014.04.026
- Hsu DJ, Lee CW, Tsai WC, Chien YC (2017). Essential and toxic metals in animal bone broths. Food & Nutrition Research, 61, 1347478(表 2、表 3). https://doi.org/10.1080/16546628.2017.1347478
- 国家卫生和计划生育委员会 (2018). WS/T 578.2—2018 中国居民膳食营养素参考摄入量 第 2 部分:常量元素(表 1;定义 3.7). https://www.nhc.gov.cn/wjw/yingyang/201805/f2c614be95fe41dba8123c23a6e6fb55/files/1739783539207_73894.pdf
- Jackson RD, LaCroix AZ, Gass M, et al. (2006). Calcium plus vitamin D supplementation and the risk of fractures. New England Journal of Medicine, 354(7), 669-683. https://doi.org/10.1056/NEJMoa055218
- Doetsch AM, Faber J, Lynnerup N, et al. (2004). The effect of calcium and vitamin D3 supplementation on the healing of the proximal humerus fracture: a randomized placebo-controlled study. Calcified Tissue International, 75, 183-188. https://doi.org/10.1007/s00223-004-0167-0(备注里那项)
- Gorter EA, Krijnen P, Schipper IB (2017). Vitamin D status and adult fracture healing. Journal of Clinical Orthopaedics and Trauma, 8(1), 34-37. https://doi.org/10.1016/j.jcot.2016.09.003(备注里那项)
この項目に触れている項目
中国語の原書からの翻訳です。 原書 第 6 節 第 30 項. 内容が古くなっている場合があり、制度は地域によって違います。実際に手続き・受診・裁判をするときは、窓口・医師・弁護士の説明に従ってください。 免責事項